生産性向上

仕事のマネジメント

生産性向上の基本は、計画に沿って仕事をこなすことです。「仕事が計画通りに進んでいない」「計画自体にムリがある」「そもそも無計画で場当たり的に仕事を進めている」といった状況に対処するために残業して仕事の遅れをカバーせざるを得ないといったことになります。こういった非効率な状況を未然に防ぎ、まず部下に対して適正な仕事量を配分し、仕事の負荷のバランスをとること、そして各自が計画立てて仕事に取組み、その進捗を適切に管理を行うのが上司の基本的な役割です。

上司が行うべき基本的な仕事のマネジメントは、次の3つです。

①仕事の割り振り・配分
どの部下に、何をやらせるのかを決定する。その際の基本姿勢は「適材適所」と「部下の育成」です。

②仕事の指示出し
具体的に仕事の指示を出す。その際のポイントは、部下に対して上司のニーズを具体的に示すことです。

③仕事の進捗管理
部下の仕事の進み具合を管理する。ゴールを示し、道筋を考えた上で部下に任せることです。

多能工化

多能工化とは、一人で複数の業務や工程を遂行する技術を身につけさせることでマルチスキル化とも言います。多能工化を進めることによって、スタッフの負担軽減や残業の抑制、チームワークの強化が期待できます。

多能工化の導入は、次の手順で進めます。

①業務の棚卸しと課題の見える化

②スキルマップによる作業習熟度の定量化

③多能工化の推進計画を立案、実行する

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業務の可視化

個人の単位で業務時間を洗い出し、「無駄な時間」あるいは「確保すべき時間」を整理します。次にどの業務にどの程度の時間を要しているのかを個人やチーム単位で測定し、「減らす業務」「維持すべき業務」「増やす業務」を見定めます。

業務の可視化は、次の手順で進めます。

①業務時間の見える化

②作業時間の記録・集計

③改善計画の作成

業務分析

業務改善を目的として、業務の実態を客観的に把握する業務分析を行います。特に残業削減を進める場合には、業務の重要度・緊急度の軸で分析を行う「マトリクス分析」、課題の根本原因を絞り込む「要因分析」を行うことが肝要です。

①マトリクス分析
重要度・緊急度の2軸4象限で業務タスクを分類し、パターン分析により個人間の業務の偏りや廃止や簡略化すべき業務を洗い出します。

②要因分析
個々の課題を解決可能なレベルの事象に至るまで細分化し、課題の構造を紐解き、根本的原因を絞り込みます。

仕事の標準化

定型業務等、ある程度プロセスが定まっている仕事の段取りや手順を標準化することは、コストの削減に繋がるだけではなく、同僚の急な退職や取引量の増減に対応する場合にも有効であり、事業を安定化させる上ではとても重要な施策の一つです。

標準化のポイントは、次の2点です。

①標準化する業務の洗い出し
「定型業務」と「非定型業務」に分類します。定型業務はローコスト戦略で標準化に取組み、非定型業務は差別化戦略で高付加価値化を進めます。

②標準化の手順
定型業務は作業プロセスを可視化し、作業プロセスに分解しフローチャートし、作業マニュアルを作成します。

その他の取組み

生産性向上は、上記の改善策のほかにも個々の能力開発や職場連携などの取組みを推進することも考えられますが、以下の会議運営や取引慣行の見直しも効果が表れやすい施策です。

①会議運営の見直し
会議の開催目的を明確化し、予め事前準備を徹底するだけでも会議はスムーズに進行します。また、参加人数や開催頻度、資料のボリューム、運営時間などを強制的に減らせば会議の無駄を一度に削減することが可能です。

②取引慣行の見直し
取引経緯や先例、取引相手との力関係などでしがらみが形成されているような取引慣行は、時代や社会の変化に伴って、今となっては非効率であったり不公平なことも少なくありません。単に無駄を削ったり、慣例を廃止することが目的ではなく、顧客や取引先との関係性をこれまで以上に強化する観点で見直すことが重要です。