営業マネジメント

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BtoB 新規顧客の獲得

BtoB取引においては、顧客との取引関係は常に流動的であり、既存顧客との取引関係自体も徐々に一定割合が消滅するので、売上規模を維持向上させるためには常に新規顧客を獲得し続けなければなりません。
しかし、ゼロからのアプローチは大変な労力が掛かり、とりわけコロナ禍によって対面での営業活動に大幅に制約が生じている昨今、新規顧客開拓は益々困難な状況となっています。

近年は、潜在客や見込客に対するアプローチの場面ではWEBサイトやSNSなどを活用する機会が増えたことによって営業効率が格段に向上することとなりましたが、商談や受注活動、フォロー活動においては、引続き顧客との関係性の優劣が商機獲得に大きく関わることに変わりはありません。むしろその凝縮されたプロセスにおいては従来以上に営業担当者の人間力が問われる場合もあります。

新規顧客獲得に向けては、活動プロセスを「潜在客アプローチ」「見込客アプローチ」「商談プロセス」の3つのステージに分け、以下の3つの強化策を策定、最大効果をもたらす仕掛け作りを行うことが重要です。

①潜在客アプローチの強化
業務上の問題解決の手段や方法を探すために情報収集を行っている段階にある潜在客を見つけ出し、自社の見込客へと昇格させるためにWEBサイト、SNS、DM、展示会、セミナー等を用いた仕掛け作りを行います。

②見込客アプローチの強化
見込客が抱える課題やニーズを正確に把握し、有益情報の提供を行いながら、自社が扱う商品やサービスを用いた問題解決イメージの共有化を図り、具体的な商談へと移行するまでのプロセスを体系化します。

③受注を成功に導く商談プロセスの整備
主に営業担当者が関与する領域となる提案書の作成やプレゼンテーション、見積作業、クロージング等の商談プロセスの進め方を見直し、受注成功率をアップさせるための強化策を検討します。

既存顧客の深耕

既存顧客に対する営業戦略は、顧客のABC分析がスタートとなります。例えば売上順に顧客を並べ、パレートの法則に基づいて顧客を分類し、重点顧客戦略のリストを作成します。
一方で、もう一つの重要な切り口として、ランチェスターの法則を応用し、競合他社の動向も見極めながら個別顧客のシェア拡大の余地を探ります。

既存顧客の深耕では、以下3つの施策を策定し、顧客の需要見通しと納入シェアをもとに営業戦略を構築、戦略的な営業活動を展開することによって、飛躍的な売上拡大と営業効率向上を実現します。

①顧客価値の分析・活用
自社の商品やサービスが顧客(エンドユーザー)のビジネスにどのような影響や価値をもたらすのかについて、顧客自身、顧客の顧客、顧客の競合先との関係性の中で分析し、更なる差別化推進を考えます。

②重点化戦略の策定・実行
取引規模と納入シェアによって分類する顧客ランクに基づき重点顧客を設定し、リソースの傾斜配分やメリハリの効いた営業活動を行うべく、アップセル戦略やクロスセル戦略へと展開します。日々の既存顧客向け営業活動は、全てこの重点化戦略がベースとなったPDCAサイクルを回すことが基本となります。

③紹介営業への展開
既存顧客や取引先からの紹介・口コミを通じて獲得した新規見込客は受注成約率が高いため、組織的な紹介営業に積極的に取り組むことで新規顧客獲得の可能性が拡がります。紹介営業の獲得に向けた既存顧客満足度や顧客提供価値の向上が重要です。

営業力の強化

インターネットの普及によって、BtoB企業のマーケティング手法が一変したからといって、営業担当者が不要になったわけではありません。一旦商談のステージに上がれば顧客との信頼関係を構築しながら条件交渉等を詰めていくことになり、そこでは交渉力や調整力、そして人間力も含めて、営業担当者には従来にも増して高い資質が求められることになります。

見込客は営業担当者と接する段階では既にWEBサイトやSNS等を通じて大まかな情報を得ていることが多く、購入検討先の製品やサービスに対してある程度の評価を行った上で商談に臨んでいると思われ、商談の段階では商品やサービスの既知情報以上に担当者との会話を通じて初めて得ることができる情報に関心があるため、担当者から滲み出る人間性や信頼感などが従来にも増して購入の意思決定に大きく影響を及ぼすと言われています。この段階での顧客対応が今ひとつであった場合には、競合他社に靡いてしまう可能性もあります。

営業担当者との会話で初めて得られる情報とは何か。もちろん価格や納期などWEBサイト上では掲載できない情報もありますが、それよりも重要なのは売手の販売姿勢や担当者の人柄なのです。つまり、顧客の課題にきちんと向き合って奔走してくれるのか、親身になって対応してくれるのかという情報なのです。最終的には、担当者の総合的な営業力が商談成功の決め手になると言っても過言ではないのです。

営業力の強化に必要な施策は、次の3つとなります。

①組織営業の体制づくり
営業組織が機動的に活動できるよう営業部門の位置づけを明確にした上で、マネジメント体制やインセンティブの仕組みづくりを推進します。

②個人の営業力強化
顧客満足度に影響を及ぼす個人の営業力向上に取組みます。人間力、交渉力、提案力、調整力等の「営業能力」、売れる提案書の作成ポイントやプレゼンテーションの実践等の「営業スキル」、目標管理等の「営業マネジメント」の強化を推進します。

③強化トレーニング
「売れる仕組みづくり」によってハード面を整備すると同時に、個人の意識改革、科学的営業手法の習得、ケーススタデイによる実践訓練を集合研修形式で実施します。