人事制度・給与体系の刷新

医療従事者の雇用環境は、有効求人倍率は2~5倍、大都市圏以外では更に高い数値を示している地域もあって今や完全な売り手市場であり、専門職の人材流動性は大変高く、転職市場は常に活気づいている状況です。
人材は病院にとって最も重要な経営資源であり、現在多くの病院が常に人材確保の問題に神経と尖らせていますが、働き方改革やモチベーション向上施策への取組みが職員の定着や採用にも多大な影響を及ぼします。
病院の経営環境が年々厳しさを増す中、魅力的な人事制度や給与体系をいかに整備し、定着させることができるかが今後の病院の生き残りを左右すると言っても過言ではありません。

人事制度構築の目的

しかし、職員の離職が相次いだからと言って唐突に賃金アップや新たな手当を支給したり、目的もなく新たな評価項目を導入しても、職員は経営に対して不信感を抱きかねません。人事制度の変更や改定を行う場合には、必ず経営として職員に対する行動変容のメッセージや達成目標、ゴールに向けての一人ひとりの成長の道標と環境の整備など、人事制度の構築や改定の目的を明確に示すことが先決です。

制度は作ることが目的ではなく、病院の理念やビジョンやミッション、経営目標を達成するための手段です。
その目的に適うように、まずは理念や戦略から導き出される組織や人材のマネジメントポリシーと具体的な期待人材像を考えるところから始めます。そうすると制度自体の軸足が自然と定まってきます。

人事制度を構成する基本制度

人事制度は、次の3つの基本制度によって構成されています。

➀等級・役職制度
自院が求める組織のあり方と期待人材の能力レベルや役割要件を等級制度で表し、管理職等の職位に応じた職責を決める役職制度とともに、次の運用細目を細部にわたり検討します。
・キャリアパス体系・等級基準
・職種別等級定義
・昇格・降格基準、役職昇進・降職(解任)基準

➁評価制度
等級制度と連動させながら自院が求める職員の成績、行動、スキルなどを評価項目に反映し、客観的な評価軸や評価基準をもとに職員を評価する。その評価結果は昇給、昇格等の処遇への反映はもちろんのこと、職員の育成や配置、キャリア形成の判断材料として用います。
・評価要素、評価項目の定義
・評価シート作成
・評価運用ルール、評価マニュアル
・評価結果のフィードバックルール
・評価運用スケジュール
・人事考課研修(考課者、被考課者)

➂給与・賞与制度、退職金制度
等級制度と連動し、人事評価結果を反映させた職員の給与水準、昇給額、賞与決定の仕組みを検討します。
・支給項目(基本給、諸手当)
・給与テーブル、賞与支給ルール、退職金制度の設計
・シミュレーション(総額人件費、制度移行)
・給与規定の作成

➃人事制度を補完する仕組み
自院が求める人材を結集し機動的な組織づくりを進めるために、3つの基本制度に加え、次の補完する仕組みを人事制度と歩調を合わせる形で整備します。
・採用・研修等の人材育成策
・就業規則、諸規定
・福利厚生

参考ページ

上記内容に参考となる関連ページをご紹介します。

人事制度全般
ジョブ型人事制度
考課者研修
目標管理研修